サンプル32-1 サマードレス 佐藤真樹

サマードレスのサンプル

1993年のサマードレス

暑い日が続いていますが、私は一着のサマードレスのことを思い出しました。

そのサマードレスは、私が1993年ころに作ったものです。

とても軽快なワンピース・ドレスで、25年以上経った今でもかわいらしいと思います。

このサマードレスに、私は「フレッシュな才能」を感じます。

20代の私が作ったドレスですが、それでも才能を感じてしまうのです。

 

着心地の良い夏のワンピース

サンプル32-2 サマードレス 佐藤真樹サマードレスの右脇

 

このサマードレスには、白とオレンジのチェックの布を使いました。

私の作る服にしては、珍しい色使いです。

白とオレンジのチェック地は、綿とポリエステルで出来ています。

綿とポリエステルの布を使うことも、私には珍しいことです。

なぜこの布を使ったかというと、着心地の良い夏の服を作りたかったからです。

さらに、海辺で着ることを考えてこのサマードレスを作りました。

このサマードレスには、

  1. 軽い
  2. 涼しい
  3. 水に濡れてもすぐに乾く
  4. 小さくたたむことができる

などの特徴があります。

 

バイアスカットのサマードレス

サンプル32-3 サマードレス 佐藤真樹サマードレスの左脇

 

このサマードレスは、バイアスカットにしました。

バイアスカットのおかげで、ウエストがくびれているように見えます。

サマードレスの脇線は直線にして、袋縫いにしました。

それでも、曲線的なシルエットのサマードレスになりました。

それから

  • 衿ぐり
  • 袖ぐり

は、三つ折りにしてステッチで押さえました。

ステッチは90番糸の細い糸を使い、運針幅を細かくしました。

衿ぐりも袖ぐりも、体によく馴染みます。

このサマードレスは、完全に2枚のパーツだけで出来ています。

 

才能を殺すもの

サンプル32-4 サマードレス 佐藤真樹サマードレスの後ろ

 

このサマードレスは、とても単純な構成で作られています。

しかしそんな単純なサマードレスに、私は「フレッシュな才能」を感じてしまうのです。

このサマードレスを見ていて、私はあることに気が付きました。

それは「会社勤めをした私には、たくさんの垢が付いてしまった」ということです。

本当は会社だけではないですが、余分なものがたくさんくっついてしまいました。

多分、私も含めて世の中のほとんどの人は頭が悪いと思います。

その頭の悪い人たちが、会社ではもっともらしいことを偉そうに命令しているわけです。

「他人の命令など聞いてはいけない」と、今の私なら思います。

もともと私は人の言うことをあまり聞きませんが、それでも少なからず垢が付いてしまったわけです。

この「垢」が、才能を殺してしまうものの一つだと思います。

最近の私の生活は、この垢を落としているのだと思うことがあります。

 

「日本のおじさん」が嫌いです

サンプル32-5 サマードレス 佐藤真樹サマードレスの衿ぐりと袖ぐり

 

私は50代になり、「おじさん」と言われる年齢になりました。

しかし、私は「日本のおじさん」が嫌いです。

大嫌いです。

私は、「日本のおじさん」の感覚が嫌いです。

私は、婦人服を作っています。

「フレッシュな婦人服をいつまでも作りたい」と、私は思っています。

その過程で、高度な技術も身に付けたいと思います。

しかし高度な技術があってもフレッシュさのない服を、私は作りたいとは思いません。

20代の私が作ったサマードレスが、私に原点を思い出させてくれました。