サンプル26-1 シャツ 佐藤真樹

定番シャツのサンプル

デザイン画を元にシャツを作ってみました

前回描いた「佐藤真樹のデザイン画220枚目」を元に、シャツを作ってみました。

本当はもっと早く紹介したかったのですが、デザイン画掲載から時間が経ってしまいました。

遅れた理由は、手縫いの箇所が多かったからです。

 

「カルゼ」という布を使いました

サンプル26-2 シャツ 佐藤真樹シャツの後ろ

 

今回作ったシャツに手縫いの箇所が多くなった理由は、主に2つあります。

1つ目の理由は、私の描くデザイン画は柔らかな印象を持っているからです。

そして柔らかさを出すために綿100%の「カルゼ」という布を使ったのが、2つ目の理由です。

今回私が使った「カルゼ」には、

  1. うねが立体的にはっきり見える
  2. 柔らかい
  3. 表面が少し起毛している

という特徴がありました。

この「カルゼ」にミシンでステッチをかけると、

  1. 硬くなる
  2. ステッチが汚く見える

ということがありイメージとかけ離れてしまいました。

そこで今回は、ほとんどのステッチをハンドステッチにしてみました。

 

ハンドステッチにしてみました

サンプル26-3 シャツ 佐藤真樹シャツの脇

 

ハンドステッチを始めて、私は唖然としました。

予想以上に、ステッチが進まないのです。

しかし、ハンドステッチをしてみて良かったこともありました。

ハンドステッチをしていると、デザイン画を描いている感覚になりました。

私はいつも、伸び伸びとデザイン画を描いています。

ハンドステッチをしていると、伸び伸びと服を作ることができました。

それから、「海を見ながらハンドステッチをしたら楽しそう」と思いました。

 

数十時間の制作時間

サンプル26-4 シャツ 佐藤真樹シャツの衿もと

 

以前マルタン・マルジェラの作品を美術館で見たとき、それぞれの作品に制作時間が書いてありました。

今回作ったシャツは、完成までに数十時間の時間がかかっています。

ハンドステッチで作ったこのシャツは、

  • 柔らかい
  • デリケート
  • 立体的

に仕上がりました。

私は服を立体的に作るとき、

  1. 身頃の構成
  2. 衿付け(衿ぐり)
  3. 袖つけ(袖ぐり)

が大事だと思っています。

衿や袖をハンドステッチで仕上げることで、糸の調子を変えながら立体感を作ることができました。

 

シャツの型紙のこと

サンプル26-5 シャツ 佐藤真樹シャツの袖ぐり

 

このシャツの型紙は、縫製の効率を気にしないで作りました。

シャツのアームホールは、カーブをきつくしました。

シャツの縫製は多くの場合、身頃と袖を縫い合わせてから脇を縫います。

このシャツは身頃と袖を別々に縫ってから、最後に袖付けをしました。

それからこのシャツには、ダーツを取らないようにしました。

私のデザイン画は、衿の返りが柔らかく描かれています。

この衿の返りの柔らかさを表現するために、上衿の幅を台襟の幅に比べてかなり広くしました。

シャツについて私が長い間考えていたことを、このシャツの型紙に表現してみました。

 

着ることができるオブジェ

サンプル26-6 シャツ 佐藤真樹シャツのボタンとボタンホール

 

ちなみに、ボタンは10ミリの黒蝶(2つ穴)を使いました。

私が装苑賞に応募していたころ多くの審査員の先生が、「これは服ではない。着ることができないオブジェだ。」と批評していました。

なぜこんなことを書いたかというと、私は服に付いている洗濯ネームが嫌いだからです。

洗濯ネームを付けないで服を販売すると、法律違反になるそうです。

私は洗濯ネームを付けたくないので、「私が作って売っているのは着ることができるオブジェ(作品)です。」と言おうかなと考えています。

オブジェやアート作品を作って売るなら、とても高い値段になっても問題ないわけです。

「一着(?)の着ることができるオブジェ」に、何時間でも時間をかけることができます。

「ファッションデザイナーのおじいさんやおばあさんは、洗濯ネームが嫌じゃないのかな?」と、私は疑問に思いました。

洗濯ネームが付くだけで、服が美しくなくなるわけです。

シャツを作りながら、今後の服のあり方を考えてみました。

 

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