サンプル11 ピーコート 佐藤真樹

ウールモッサのピーコートのサンプル

こだわった点

手元にあったウールモッサで、ピーコートを作りました。

25mmの水牛ボタンを、ピーコートのアクセントに使いました。

そして、衿を立てて暖かく着ることができるデザインにしました。

私は、

  • デザイン
  • 型紙
  • 縫製

を担当しました。

このピーコートには、キュプラの裏地が付いています。

 

使用したウールモッサについて

このウールモッサは、装苑1991年12月号で松田光弘先生に選んでいただいたドレスの残布です。

同じウールモッサで、ショートピーコートも作りました。

ウールモッサは、小伝馬町にある「孝富」という店で買いました。

「孝富」は文化服装学院の購買にも入っていて、馴染み深い生地屋さんでした。

夏休み中ということもあり、このウールモッサを7mも買ってしまいました。

7mのウールモッサで、3着の服を作れたことになります。

このウールモッサは、とても扱いやすい布でした。

ピーコートといえばメルトンですが、ウールモッサを使うと柔らかく軽く作ることができます。

少し広がったシルエットを、メルトンよりも優しく表現してくれています。

1995-96年くらいの写真で、コートにシワが入っていてすみません。

 

このピーコートを見て2018年に考えたこと

最近(2018年12月)、このピーコートの実物を久しぶりに見ました。

そして私は、感動しました。

このピーコートを作った人(二十数年前の私)は、作りたい服が明確に見えていました。

技術的に型紙や縫製を見れば、確かに未熟な点はあります。

しかし未熟な点があったとしても、このピーコートから私は清々しさを感じました。

このピーコートを見ると、

  • 好きな服
  • 作りたい服
  • 理想とする服の構成

が伝わってきます。

技術だけでは、服を構成することはできません。

ファッションデザイナーの

  • 美意識
  • 服に対する考え

が明確でなければ、どの技術を使ったらいいのかわからなくなってしまいます。

このピーコートはテーブルの上に置くと、真っ平らになります。

肩とアームホール・袖の関係は、ロメオ・ジリの影響を受けています。

そしてこのピーコートの袖は、一枚袖です。

しかし一枚袖でも袖の方向性は保たれていて、着心地はとても良いそうです。

このピーコートを作っていたとき、私は自由でした。

私が表現したい服を作るために、私は服作りの常識を無視していました。

私のブランドを作るにあたって、服作りの常識をもう一度無視しようと思います。

 

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