第29回並木賞 佳作作品 佐藤真樹

第29回並木賞佳作のドレス

製作時の思い出

文化服装学院では在学生を対象に、毎年1月に「デザイン大賞」遠藤賞並木賞の公開審査が行われていました。

  • 遠藤賞はカジュアルウェア
  • 並木賞はフォーマルウェア

をテーマに、デザイン画の募集が行われました。

私は遠藤賞と並木賞ともに、デザイン画が一次審査を通過することができました。

 

山本耀司先生の批評

制作期間は、1991年末~1992年初でした。

装苑1992年2月号の作品で、山本耀司先生から厳しい批評を頂いた直後の制作作品でした。

山本耀司先生からの厳しい批評で、壁を一つ乗り越えた感じがしました。

「もっと自由に、好きなことを徹底して作りたいと、この並木賞の服を作りました。

 

遠藤賞

遠藤賞 候補作品 佐藤真樹遠藤賞候補作品

 

学生時代、私はツナギが好きでよくデザインしていました。

このデザインは、Hラインをツナギにすることが特徴です。

左の腰から右足に向けて、ドレープが流れます。

この作品は、

  • 明きを作ること
  • ドレープ
  • ツナギをまとめること

が難しかったです。

他にも、衿の返り方や袖付けなど直すべき点がたくさんあります。

デザイン画のアイディアが、服の形になりきっていません。

しかしこの服の経験が、装苑1992年6月号の服に生かされていきました。

 

並木賞

第29回並木賞02 佳作作品 佐藤真樹並木賞候補作品

 

並木賞の服は、作っているときにどんどんアイディアが出てきました。 

このアイディアをトワルで試していくと、面白い形が出来上がりました。

ほとんど迷うことなく、面白いように作れました。

一番迷ったのは、裾の始末の仕方でした。

縫製の最後の段階で、裾の縫い代は10cm以上ついていました。

柔らかくて丸いシルエットを作るために、提出用の服で色々試しました。

そして最後に縫い代を思い切りカットし、二つ折りでステッチをかけました。

 

この服の特長

この服の特徴は、

  1. 赤いドレスは1枚のパーツでできています。
  2. 肩線、脇線、後ろ中心線がありません。
  3. 右の短い袖は、見頃から裁ち出してあります。
  4. タックやダーツは一つも取っていません。
  5. 裾は断ち切りのものを二つ折りにして、ステッチをかけただけです。
  6. 衿ぐりは布地を折っただけの始末です。

第29回並木賞は大賞該当作品が無く、佳作作品が3作品選ばれるという結果でした。

課題点を克服し、並木賞佳作を受賞できうれしい気持ちになりました。

賞金を、5万円いただきました。

この賞金で、私はロックミシンを買いました。

並木賞の佳作をいただいて、私はロックミシンを使えるようになりました。

 

卒展

卒展作品 佐藤真樹文化服装学院の卒展の様子

 

卒展に私は、

  1. 並木賞候補作品
  2. 遠藤賞候補作品
  3. 装苑賞候補作品

の3点を展示しました。

写真の左側に、セロハンテープの箱を切り取って貼った様子が見られます。

展示を、きれいに美しく行いたくなかったからです。

写真には写っていませんが、針金で出来たオブジェやアクセサリーが壁に貼ってあります。

私は、「勝手に見てくれ!」という気持ちが強かったです。

この卒展を、山本耀司先生が見に来てくださいました。

この直後のコレクションで、山本耀司先生は金色をたくさん使いました。

とてもおもしろい、出来事でした。